更新日:2026.2.5

退職金の相場は?勤続年数や役職でどのくらい変わる?

退職金の相場は?勤続年数や役職でどのくらい変わる?

退職金について、「退職金の相場は?」「退職金は勤続年数や役職でどのくらい変わる?」など、気になってはいませんか。

退職金の相場は、大企業と中小企業で大きく変わっており、大企業は約2,000万円、中小企業は約1,000万円程度となっています。

ただ、退職金は勤続年数や役職で変わってくるため、一概には言えない点に注意が必要です。

本記事では、国の統計から見た退職金の相場、退職金を受け取る際に押さえておきたい税制、退職金の運用について解説しています。

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退職金の相場はどのくらいか

平均的な退職金の金額は?

退職金の相場は、大企業と中小企業、大卒と高卒とで大きく変わります。

大企業の退職金の相場(モデル退職金)は、中央労働委員会「令和5年退職金、年金及び定年制事情調査」によると、大卒は2,139万円、高卒は2,019万円となっています。

中小企業の退職金の相場(モデル退職金)は、産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、大卒は1,149万円、高卒は974万円とのことです。

モデル退職金 大卒 高卒
大企業 2,139万円 2,019万円
中小企業 1,149万円 974万円

※大企業:中央労働委員会「令和5年退職金、年金及び定年制事情調査」
※中小企業:産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」

これらの数値を見ると、企業規模による差が非常に大きいことが分かります。

大企業と中小企業では、同じ学歴、同じ勤続年数であっても、退職金額に1,000万円前後の開きが生じるケースも珍しくありません。

これは、退職金制度そのものの有無や、積立原資、企業の収益力の違いが大きく影響しているためです。

また、ここで示されている「モデル退職金」は、一般的に定年まで勤続した場合を想定した金額であり、途中退職や転職が多い場合にはこの水準に達しないこともあります。

近年は転職が一般化しているため、「退職金=老後資金の柱」と考えるのはややリスクが高いと言えるでしょう。

さらに、役職や評価制度によっても退職金額は変動します。

管理職や役員クラスまで昇進した場合、ポイント制などにより支給額が上乗せされるケースもありますが、必ずしも全員が恩恵を受けられるわけではありません。

退職金は、相場や統計よりも、自分自身のケースで考えることが重要です。

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退職金が支給される仕組みとは

「退職一時金」と「企業年金」の違いは?

退職金制度は、「退職一時金」と「企業年金」の2つに分けられます。

退職一時金は、退職時にまとまった金額が一括で支給される仕組みで、住宅ローンの返済や老後資金の初期費用などに充てやすい点が特徴です。

一方で、受け取った後の資金管理を自分で行う必要があり、使い過ぎや運用次第で老後資金が不足するリスクもあります。

これに対して企業年金は、退職後に年金形式で定期的に支給される制度です。

確定給付企業年金(DB)は将来の受給額があらかじめ決まっているのに対し、確定拠出年金(DC)は運用成果によって受給額が変わります。

確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)は、iDeCoの拠出額にも影響するため、より詳しくはFPなどの専門家に相談するようにしてみてください。

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勤続年数や役職でどのくらい変わるのか

勤続年数が長いほど増える仕組みなのか?

多くの企業では、退職金の支給額が「基本給×勤続年数×支給率」といった計算式をベースに決められています。

そのため、基本的には勤続年数が長くなるほど支給額も増える仕組みです。

特に20年、30年と長く勤めた場合、退職金が急激に増えるカーブを描く制度設計を採用している企業も少なくありません。

一方で、勤続年数が10年未満の場合、退職金は数十万円から多くても300万円前後にとどまるケースが一般的です。

短期間での転職を繰り返す働き方では、退職金を老後資金として大きく期待するのは難しいと言えるでしょう。

また、同じ勤続年数でも役職や評価によって係数が変わることがあり、管理職以上になると支給額が大きく伸びる傾向があります。

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退職金の相場の参考データ

どの情報を見れば目安がわかるのか?

退職金の相場を把握するには、信頼性の高い公的データや客観的な統計資料を確認することが重要です。

代表的なのが、厚生労働省が公表している「退職給付(一時金・年金)実態調査」で、企業規模や学歴、勤続年数別に退職金の支給実態がまとめられています。

国の公式調査であるため、全体像をつかむ参考資料として非常に有用です。

加えて、労働組合や業界団体が独自に行っている調査も、同業他社との比較に役立ちます。

また、「会社四季報」や「就職四季報」には、企業ごとの退職金制度やモデルケースが掲載されていることがあり、特定の企業を調べたい場合に便利です。

複数の情報源を組み合わせることで、自分の立場に近い退職金の目安をより正確に把握できます。

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退職金を効率よく受け取るための注意点

税金の仕組みを理解しておくべき理由は?

退職金を受け取る際には、税金の仕組みを理解しておくことが重要です。

退職金は、長年の勤務に対する功労金という性格を持つため、給与や賞与とは異なり、税制上は大きな優遇が設けられています。

課税区分も「給与所得」ではなく、原則として「退職所得」として扱われるのが特徴です。

ただし、退職金を年金形式で受け取る場合は「雑所得」となるため、この点は注意が必要です。

退職金を一時金で受け取る場合は分離課税となり、他の所得と合算せずに所得税と住民税が計算されます。

課税対象となる退職所得は、退職金から「退職所得控除」を差し引き、さらにその残額の2分の1だけが課税対象になります。

● 退職所得=(退職金-退職所得控除額)÷2

「退職所得控除」は、勤続年数が長いほど控除額も増える仕組みです。

具体的には、勤続20年までは1年あたり40万円、20年を超える部分については1年あたり70万円が控除されます。

勤続年数 退職所得控除
20年以下 40万円×勤続年数
※最低80万円
20年超 800万円+70万円×(勤続年数−20年)

たとえば、勤続25年の人なら、「800万円+70万円×5年=1,150万円」が退職所得控除額になります。

勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げ計算され、休職期間や出向期間も条件次第で勤続年数に含まれる点も押さえておきましょう。

退職金の課税方法は2パターンある

退職金の税額は、「退職所得の受給に関する報告書」を会社へ提出するかどうかで大きく変わります。

報告書を提出した場合、会社が退職所得控除を適用したうえで正しい税額を源泉徴収してくれるため、原則として確定申告は不要です。

多くの場合、この方法が最も税負担を抑えられます。

一方、報告書を提出しない場合は、退職所得控除が考慮されず、退職金の20.42%が一律で源泉徴収されます。

本来より多く税金が差し引かれるケースが多く、後から確定申告をして還付を受ける必要が出てきますが、手間もかかります。

報告書の提出 税金の扱い 確定申告
提出する 控除適用後の正しい税額 原則不要
提出しない 20.42%を一律源泉徴収 必要

退職金を受け取る前に報告書を提出することが、税金を最小限に抑えるための基本戦略といえます。

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退職金はどのように運用すべき?

インフレ時代には退職金の運用も重要となる

退職金は老後生活を支える大切な資金ですが、銀行預金のまま置いておくだけでは、インフレによって実質的な価値が目減りするリスクがあります。

物価が上昇しているにもかかわらず金利が低い状態が続くと、「金額は減っていないのに、使える価値は減っている」という状況になりかねません。

特に老後は運用による追加収入が限られるため、退職時点で受け取った資金の使い方がその後の生活の安定を大きく左右します。

もちろん、退職金は生活防衛資金や近い将来に使う資金も含まれるため、すべてを積極運用に回す必要はありません。

しかし、余裕資金の一部については、インフレに対応できる資産へ分散しておくことで、長期的な購買力を維持しやすくなります。

新NISAを活用してオルカンやS&P500指数が基本

退職金の運用を考える際、税制メリットの大きい新NISAの活用は有力な選択肢です。

新NISAでは運用益が非課税となるため、長期投資との相性が非常に良く、老後資金づくりにも向いています。

投資対象としては、全世界株式(オルカン)やS&P500指数に連動するインデックスファンドのように、低コストで分散効果の高い商品が基本となります。

ただし、退職金を一度に全額投じるのは価格変動リスクが大きいため避けるべきです。

たとえば「毎月5万円ずつ積み立てる」といった形で、時間分散を意識した運用を行うことで、相場の上下に左右されにくくなります。

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まとめ

退職金の相場は、大企業は約2,000万円、中小企業は約1,000万円程度と、学歴よりも企業規模による差の方が大きいことが分かります。

ただ、勤続年数や役職によっても変わってくるため、個人差が大きくなっています。

Q&A

Q1 退職金の相場は?
A1 統計によると、大企業は約2,000万円、中小企業は約1,000万円程度となっています。学歴よりも企業規模による差の方が大きい状況です。ただ、近年は個人差が大きくなっているため、一概には言えません。

Q2 退職金は勤続年数や役職でどのくらい変わる?
A2 多くの企業では、退職金の支給額は「基本給×勤続年数×支給率」をベースに決められています。そのため、基本的には勤続年数が長くなるほど支給額も増える仕組みです。また、管理職以上になると支給額が大きく伸びる傾向があります。

Q3 退職金を受け取る際の注意点は?
A3 「退職所得の受給に関する報告書」を会社へ提出することで、確定申告不要で税金を抑えられます。

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