更新日:2025.3.13

投資信託はどこまで下がったら損切りすべきか?目安とタイミング

投資信託はどこまで下がったら損切りすべきか?目安とタイミング

投資信託で資産運用していると、どこまで下がったら損切りすべきか?と不安になっている方もいるのではないでしょうか。
投資信託は長期・積立・分散投資が基本であり、世界株投信(オルカン)やS&P500指数といったインデックスファンドの場合には、損切りは基本的に必要はありません。
アクティブファンドやレバレッジ型ファンドのような投資信託では、損切り戦略についても考える必要があります。
本記事では、投資信託の損切りタイミングと判断基準、投資信託の損切り後の対策や確定申告などをわかりやすく解説します。

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投資信託の損切りタイミングと判断基準


投資信託は、日本株や米国株などの個別株投資とは異なり、短期的な値動きに一喜一憂せずに、長期で運用を続けることが基本です。
ただ、明らかに損失が拡大し、回復の見込みが低いと判断される場合には、適切なタイミングで損切りが必要なケースもあります。

世界株投信(オルカン)やS&P500指数といったインデックスファンドの場合には、長期で保有していても回復の見込みが期待できますが、アクティブファンドやレバレッジ型ファンドの場合には損切りも考慮する必要があります。
投資信託の損切り目安や、市場環境とファンドの問題を見極めるポイントについて見ていきましょう。

投資信託の損切り目安とは

マイナス10~15%を基本とした損切りラインの考え方

投資信託の損切りラインとしては、「マイナス10~15%」が一つの目安とされています。
この水準を超える損失となってしまうと、その後の回復に長い時間が掛かる可能性が高くなるためです。

具体的には、-15%下落した場合には、元値に比べて85%となります。85%が100%の水準に戻るには、85%となった基準価額から17.64%の上昇が必要となります。
下落率と、そこから元の水準に戻るために必要な上昇率は次の通りです。

下落率(水準) 100%に戻るための上昇率
-10%(90%) 11.11%
-15%(85%) 17.64%
-20%(80%) 25.00%
-25%(75%) 33.33%
-30%(70%) 42.86%

下落率が大きくなればなるほど、元の水準に戻るために必要な上昇率が大きくなってしまうため、傷が大きくならない内に早めの損切りが必要となります。
ただし、すぐに売却するのではなく、市場全体の状況やファンドの特性を踏まえて判断するようにしましょう。

市場全体の下落か個別ファンドの問題かの見極め方

投資信託の損切りを決断する前に、「市場全体が下落しているのか?」「投資しているファンドに問題があるのか?」を見極めておきましょう。
世界株投信(オルカン)やS&P500指数、NASDAQ100指数といったインデックスファンドの場合には、-20%程度の下落率は、むしろ押し目になる場合が多いです。

そもそも指数に連動するインデックスファンドは、数百銘柄以上に分散投資された時価総額加重平均型という特性によって、産業構造の変化が反映されるため、損切りせずに長期・積立・分散投資が基本となります。
一方、アクティブファンドの場合には、損切りも検討する必要があります。

日経平均株価やS&P500指数などの主要指数が大きく下落している場合は、一時的な市場全体の調整である可能性が高く、慌てて損切りする必要はありません。
一方、類似の指数と比較して、明らかにパフォーマンスが悪化している場合は、そのファンド固有の問題がある可能性があるため、損切りも視野に入ってきます。

ファンドのタイプに応じて、次の市場やファンドの動向をチェックしておくようにしましょう。

ファンドのタイプ 対応する市場やファンド
日本株ファンド 日経平均株価、TOPIX
米国株ファンド S&P500指数、ダウ平均株価
世界株ファンド 「emaxis slim 全世界株式(オール・カントリー)」など
テクノロジー系ファンド NASDAQ100指数

短期投資と長期投資での損切り判断の違い

短期的な値動きを狙う投資(トレード)と、長期的な資産形成を目的とした投資では、損切りの判断基準が異なります。
短期投資の場合は、損失をなるべく抑えるために、マイナス5〜10%程度で損切りするルールを設定することが有効です。
アクティブファンドの長期投資では、類似の指数が下落していない場合に、マイナス10〜15%程度が損切りの目安となります。

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投資信託の損切り後の対策と確定申告


投資信託を損切りした後には、次の投資行動について考える必要があります。
損切り後の資金の再投資方法と、確定申告で損失を有効活用する方法について見ていきましょう。

損切り後の効果的な資金再投資法

類似ファンドへの乗り換えか別の投資先を選ぶか

投資信託の損切り後は、同じ投資スタイルを続けるのか、別の投資先を選んで新たな戦略を取るのかを決める必要があります。
アクティブファンドなら、日本株のファンドアクティブファンドから米国株のアクティブファンドに乗り換える、半導体から金融系のアクティブファンドに変えるなどの戦略転換が考えられます。

もしくは、アクティブファンドからレバレッジ型ファンドに乗り換える、長期的な積立を目的としたインデックスファンドに変えるというのもアリでしょう。
レバレッジ型ファンドなどの値動きが激しいファンドで損切り撤退となった場合には、半導体レバレッジ型ファンドなど、別の類似ファンドへの乗り換えも選択肢となります。

または、下落相場で利益が出るダブルインバース型ファンドのような、別の投資ファンドに乗り換えるのもアリです。

損切り後に陥りやすい「取り返そう症候群」の回避法

損切り後によくあるのが、損失を取り戻そうと焦り、無計画にリスクの高い投資に手を出してしまう「取り返そう症候群」にはまってしまうことです。
さらに悪いと、資金量を大きくする、よりリスクの高いファンドに手を出してしまうなど、泥沼にはまっていってしまうケースもあります。

このような“ナンピン”は、投資家が全ての資産を失う可能性がある最も危険な行為です。
損切り後は一旦冷静になり、資産配分を見直す時間を確保するようにしましょう。

投資信託の損切りと確定申告の重要ポイント

損失の繰越控除制度(3年間)の活用法

投資信託で損失が出た場合には、「損益通算」と「損失の繰越控除」が活用できます。
「損益通算」は、株や投資信託で出た損失を、株や投資信託で出た利益と通算できるものです。
「損失の繰越控除」を利用すると、1年トータルで損失となった分を、その翌年以降3年間、株や投資信託の利益と相殺できます。

ただ、「損失の繰越控除」を利用する場合には、確定申告を行う必要がある点に注意が必要です。
なお、新NISA口座で出た損失については、新NISA以外の口座と損益通算も繰越控除もできません。

年末に考慮すべき確定申告のための損切り戦略

投資信託の損益は、年が変わると確定となり、税額が確定となります。
年間で利益が出ている場合は、含み損のある投資信託を年内に売却して、利益と相殺することで税負担を減らせます。
なお、新NISA口座で投資している場合には、そもそも非課税であるため、このような行為は全く意味がなく、年末の損切り戦略は必要ありません。

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まとめ

投資信託の損切りは、市場環境やファンドの特性に応じて柔軟に判断することが重要です。
インデックスファンドは長期保有が基本である一方、アクティブファンドやレバレッジ型ファンドでは10~15%の下落を一つの目安とした損切り判断が有効です。損切り後は、冷静な資産配分の見直しと税制優遇措置の活用がポイントとなります。
確定申告を通じた3年間の損失繰越控除を活用すれば、将来の利益との相殺が可能になります。投資は常に長期的視点を持ちつつ、自分の投資スタイルや目標に合わせた損切り戦略を構築しましょう。

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