更新日:2025.4.21

個人年金保険とはどんな仕組み?公的年金と何が違うのか

個人年金保険とはどんな仕組み?公的年金と何が違うのか

老後資金対策の一つとして個人年金保険を検討しているものの、「個人年金保険ってどんな仕組み?」「公的年金とどう違うの?」「iDeCo・新NISAよりお得?」など、お困りの方もいるのではないでしょうか。
個人年金保険は、公的年金で足りない分を上積みすることを目的とした民間保険会社の金融商品です。

個人年金保険は、確定給付の側面が強く、自分で運用するiDeCo・新NISAに比べると大きなリターンは得られにくいものの、安定的な給付が実現できる特徴があります。
本記事では、個人年金保険の基本や仕組み、iDeCoとの違い、個人年金保険の運用シミュレーションなどについて解説しています。

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個人年金保険の基本

個人年金保険とはどのような仕組みなのか?

個人年金保険は、公的年金の上積みを目的として、自分で計画的に老後資金を準備するための私的年金商品です。
個人年金保険は、契約時から保険料を一定期間支払い、老後に年金形式で受け取る仕組みとなっており、基本構造は「積立型の保険+給付金」となっています。

個人年金保険の種類としては、「確定年金」「終身年金」「有期年金」の3つがあります。

項目 確定年金 終身年金 有期年金
年金受取期間 契約で定めた一定期間(10年など) 被保険者が生きている限り生涯 所定の年齢から一定期間(65歳〜75歳など)
生存要件 不要(受取人は遺族でも可) 必要 必要
死亡時の扱い 受取人が残存期間分を受け取れる 死亡時点で終了 未受取分は失効(保障期間付きタイプもあり)
メリット 計画が立てやすい 長生きリスクに備えられる 生存中に重点的に受け取れる
デメリット 長生きすると総額が少ないこともある 早期死亡で損になることがある 受取期間を逃すと支給されない可能性

個人年金保険の3種類の保険には、それぞれメリット・デメリットがあり、安定志向の人には確定年金型、長生きリスクに備えたい人には終身年金型が向いています。

個人年金保険とiDeCoはどう違う?

国や企業が実施している、公的年金への上積みの保険制度としては次のようなものがあります。

● 確定給付企業年金(DB)
● 企業型DC
● iDeCo(個人型確定拠出年金)
● 国民年金基金

この中でも特に人気となっているのが、iDeCoo(個人型確定拠出年金)です。

個人年金保険とiDeCoは、どちらも公的年金への上積みを目的とした老後資金準備の手段ですが、性質は大きく異なります。
個人年金保険は、予定利率が固定または変動し、契約時に将来の給付額がある程度決まっており、確定給付型の側面が強いと言えます。

一方、iDeCoは、投資信託などで自分で運用する制度となっています(「確定拠出年金」と呼ばれるのは、「拠出=運用資金」を確定するという意味です)が、元本保証はありません。
iDeCoは、掛け金が「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除となり、運用益は非課税で、受取時には公的年金等控除もしくは退職所得控除を適用できます。

個人年金保険は、「個人年金保険料税制適格特約」を付加している場合には生命保険料控除の対象となりますが、受取時の公的控除はなく、「受取金額-掛け金などの経費」が雑所得となります。
iDeCoのデメリットとしては、原則として60歳まで途中解約ができず、資産を引き出せない点です。ただ、個人年金保険は途中解約できるものの、途中解約すると返戻率が大きく減ってしまいます。

項目 個人年金保険 iDeCo
制度主体 民間保険会社
予定利率 決まっている(確定給付) 運用商品により変動(確定拠出)
税制優遇 ない 掛け金が全額所得控除、運用益は非課税
受取時の所得 雑所得 雑所得(年金受取)、退職所得(一時金受取)
掛金控除 生命保険料控除(個人年金保険料税制適格特約を付加している場合) 小規模企業共済等掛金控除
適用できる控除 なし(掛け金を経費として控除できる) 公的年金等控除(年金受取)、退職所得控除(一時金受取)
途中解約 可能(早期解約は元本割れとなりやすい) 原則として60歳まで不可

個人年金保険のデメリットで知っておくべき点は何か?

個人年金保険のデメリットは、低金利環境では運用益が期待できないことです。
契約時の利率が低いと、実質利回りはインフレに負けてしまうため、将来の購買力が目減りする可能性があります。

さらに、途中解約すると大きな元本割れとなるケースが多く、特に契約初期の10年未満で解約すると、ほぼ確実に元本割れとなってしまうでしょう。
例えば、30歳から個人年金保険に加入した場合について、途中解約時の解約返戻金の目安としては次のようになります(あくまで一例です)。

解約年 解約返戻金率
1年 60%
3年 82%
5年 90%
10年 94%
15年 96%
20年 98%
25年 99%
30年 100%

個人年金保険は、長期で契約しないと元が取れず、かといって支給されたとしても、iDeCoで運用が成功した場合のような爆発的なリターンは見込めません。

個人年金保険ではなく、iDeCoや新NISAで運用した方が大きなリターンが期待できそうなため、「個人年金保険には入らない方がいい」という意見が少なからずあることも確かです。

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個人年金保険の選び方と活用法

個人年金は月額いくらから始められる?

個人年金保険は、月額5,000円程度から始められるプランもあり、ハードルは比較的低めです。

例えば、日本生命の「ニッセイ みらいのカタチ 年金保険」で試算してみると、30歳男性が5,000円プランで30年間積み立てると、累計保険料209.9万円に対して年金累計額は230.4万円となり、毎年23.04万円を10年間受け取れる計算となります。

なお、年齢に応じて掛金を段階的に増額していくと、受け取れる年金額はより多くなります。

個人年金保険の利回りと受取額シミュレーション

日本生命の「ニッセイ みらいのカタチ 年金保険」について、30歳時のシミュレーション例は、次のようになっています。

性別・年齢 掛け金 累計保険料 年金累計額 年金額
男性・30歳 5,000円プラン 209.9万円 230.4万円 年23.04万円
男性・30歳 10,000円プラン 419.9万円 460.8万円 年46.08万円
男性・30歳 15,000円プラン 629.9万円 691.2万円 年69.12万円
女性・30歳 5,000円プラン 209.9万円 230.4万円 年23.04万円
女性・30歳 10,000円プラン 419.9万円 460.8万円 年46.08万円
女性・30歳 15,000円プラン 629.9万円 691.2万円 年69.12万円

※条件
・払込満了:65歳、年金開始:65歳、保険期間:75歳まで
・年金受取方法:10年確定年金
・保険料払込方法:月払・口座振替扱

予定利率は約109.8%となっています。

個人年金保険の利回りは「予定利率」に基づいて設定されていますが、保険会社によって利率や受取額は大きく異なります。
仮に予定利率の差が1.0%であっても、30年後には数十万円単位の差が生じることがあるため注意しておきましょう。

また、2022年以降のインフレや金利がある世界の到来により、インフレによる実質利回りの低下も念頭に置く必要があります。

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公的年金と個人年金保険

公的年金だけでは足りない理由と個人年金保険の役割とは?

金融庁が2019年に発表した「老後資金2,000万円問題」で話題となったように、公的年金だけでは老後の生活費をまかないきれない現実が指摘されています。

例えば、現役時代に平均年収500万円だった夫婦世帯の年金受取額は、月20万円前後が一般的ですが、生活費は月25〜30万円程度必要となるため、差し引き毎月5〜10万円の赤字が生じる計算です。
65歳で定年退職して、平均寿命の85歳前後まで生きるものとして簡単な概算をするだけでも、老後に必要な資金は数千万円規模になることは明らかです。
個人年金保険は、この不足分を補う金融商品として活用できます。

ただ、個人年金保険だけでは、不十分であることも確かです。
日本生命の「ニッセイ みらいのカタチ 年金保険」で見てみても、15,000円プランで30年積み立てしたとしても、年69.12万円を10年間受け取れるに過ぎません。
個人年金保険だけでは足りないため、新NISAやiDeCoなどと組み合わせて老後資金対策をしていくことが現実的です。
個人年金保険は確定給付であり、新NISAやiDeCoは運用実績に応じて変動するという特徴を理解しておくことが重要です。

個人年金保険は「確定的な現金給付」を確保する役割として、新NISA・iDeCoは「成長性のある資産運用」として、それぞれ目的を明確にして使い分けていくようにしましょう。

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まとめ

自分に合った個人年金保険の選び方には何が重要か?

個人年金保険を選ぶ際は、まず自分の老後のライフプランに基づいて「老後に必要な生活費」と「公的年金の額」を試算した上で、「老後に必要な資産額」および「老後に毎月いくら不足するか」を把握することが重要です。

その上で、公的年金で不足する金額を、どの金融商品で補うかを検討するようにしましょう。

個人年金保険は「確定的な現金給付」を実現するための保険型商品である一方、新NISA・iDeCoは「成長性のある資産運用」という位置付けとなります。

確定給付の個人年金保険だけでは、莫大な老後資金をまかなうには無理があるというのが現実です。

次のように、ライフプランに応じた資産配分をすることがカギとなります。

● 安定重視:個人年金保険を多めにしながら、iDeCoや新NISAでは安定的なバランス型投信で運用する。
● 成長重視:個人年金保険で最低限の現金給付を確保しながら、iDeCo・新NISAでは米国株投信や世界株投資(オルカン)に投資する。

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