更新日:2025.6.6
養老保険とは?デメリットや適した人の特徴
養老保険が気になっているものの、「そもそも養老保険ってどんな保険?」「養老保険のデメリットとは?」など、お困りの方もいるかもしれません。
養老保険は、死亡保障と満期保険金を両立し、貯蓄性と保障性を兼ね備えた保険です。
ただ、養老保険は保険料が割高になりやすく、早期に途中解約すると解約返戻金がほとんど戻ってこないなどのデメリットには注意が必要です。
本記事では、養老保険の特徴や定期保険・終身保険との違い、養老保険のデメリット、養老保険をおすすめできる人などについて解説しています。
Contents
養老保険の特徴

養老保険とは?
養老保険とは、契約期間中に被保険者が死亡した場合には死亡保険金が支払われ、満期を迎えた際には満期保険金を受け取れる、貯蓄性と保障性を兼ね備えた保険です。
養老保険では、万一の際の死亡保障を受けながら、計画的な貯蓄を行えますが、保障と貯蓄の両立をはかる分だけ、保険料は割高になることが一般的です。
養老保険の保険料は、契約時に決定される保険金額によって異なります。
たとえば、300万円の保険金額で契約した場合には、死亡時・満期時のいずれも300万円を受け取れる設計となります。
養老保険の満期を迎えるとどうなるのか?
養老保険が満期を迎えると、契約時に設定された満期保険金が支払われます。
満期保険金の受け取りは「一括受取」が基本ですが、保険会社によっては年金形式での「分割受取」を選べる場合もあります。
一括受取と年金形式のどちらを選ぶかによって、課税方法にも違いが出てくる点に注意が必要です。
一括受取では、一時所得として総合課税の対象となります。満期保険金から保険料支払総額と特別控除額(50万円)を差し引いた金額のうち、プラスとなった額の2分の1を総所得に加算します。
一括受取(一時所得)=満期保険金-保険料支払総額-50万円
※最終的にプラスとなった額の2分の1を総所得に加算
年金形式の分割受取の場合は、「雑所得((公的年金等以外の雑所得)」として総合課税の対象となります。雑所得の額は、その年に受け取った額から、相当する払込保険料額を差し引いた額です。
年金受取(雑所得)=その年に受け取った額-相当する払込保険料額
なお、養老保険を契約時から5年以内に解約した場合には、「金融類似商品」として、解約返戻金から既払保険料を差し引いた額に20.315%の源泉分離課税となります。
| 受け取り方法 | 所得の種類 | 所得の計算式 |
|---|---|---|
| 一括受取 | 一時所得 | 満期保険金-保険料支払総額-50万円 |
| 分割受取 | 雑所得 | その年に受け取った額-相当する払込保険料額 |
| 契約から5年以内に解約 | 金融類似商品として源泉分離課税 | (解約返戻金-既払保険料)×20.315% |
養老保険の満期後は保障が終了するため、そのまま放置すると無保険状態になるリスクがあります。
その後の死亡保障の必要性に応じて、定期保険や終身保険などへの切り替えも検討するようにしましょう。
養老保険と定期保険・終身保険の違い
養老保険と定期保険・終身保険の違いについて見ていきましょう。
| 養老保険 | 定期保険 | 終身保険 | |
|---|---|---|---|
| 保障期間 | 一定期間 | 一定期間 | 一生涯 |
| 満期保険金 | あり | なし | なし |
| 死亡保険金 | あり | あり | あり |
| 保険料 | 終身保険より高い | 安い | 定期保険より高い |
| 解約返戻金 | あり(終身保険より多い) | なし | あり |
| 向いている人 | 保障を受けて、確実にお金を受け取りたい人 | 保険料を抑えたい人 | 相続対策などで家族のために保障を残したい |
保険料で比べると、定期保険>終身保険>養老保険の順に高くなることが一般的です。
養老保険を定期保険と比べると、満期保険金や解約返戻金がある分だけ、保険料は高くなります。
養老保険を終身保険と比べると、満期保険金があり、解約返戻金が多くなる傾向がありますが、その分だけ保険料も高くなります。
養老保険のデメリット

養老保険のデメリットとして理解しておくべき点は?
養老保険のデメリットとして、途中解約による損失リスクが挙げられます。
養老保険の契約初期の解約返戻率は非常に低く、元本割れとなる可能性が高いため、契約から数年で解約すると、支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってきません。
養老保険は、個人年金保険などと同様に、長期間保有することが前提の金融商品と認識しておくようにしましょう。
また、養老保険の中には、運用成果が保証されないタイプの商品もあります。
変額型や外貨建ての養老保険は、株式市場や為替レートの動向によって受取金額が変動するリスクがある点に注意が必要です。
さらに、養老保険のリターンはそれほど高くないため、金利がある世界やインフレが進行すると考えられる時代には、思ったよりお金が増えなかったというケースも考えられます。
定期保険+新NISAの方が合理的
養老保険は、保障と貯蓄の両方を兼ね備えた保険ですが、その分だけ保険料が割高です。
死亡保障は掛け捨て型の定期保険で最低限に抑え、資産形成は非課税優遇が受けられる新NISAやiDeCoで投資信託を運用する方が合理的ではあります。
実際の商品で見てみましょう。
ソニー生命の「養老保険(無配当)」は、次のようになっています。
・被保険者:35歳
・保険金額:1,000万円
・保険期間:60歳満期
・保険料払込期間:60歳まで
・個別扱月払保険料 男性:36,450円 女性:36,010円
男性の場合、35歳から60歳まで36,450円を25年間払うとして1,093万5,000円となり、満期保険金は1,000万円となります。
単純に考えて、25年間で差し引き93万円(月額相当3,100円)の支払いで死亡保障を受ける計算です。
一方、掛け捨て型の定期保険に月額3,100円払って同程度の保障を受けながら、毎月3万円を新NISAで運用した場合について考えてみましょう。
新NISAやiDeCoの人気商品となっている「オルカン」こと全世界株式型インデックス投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近5年間リターンは144.70%となっています(2025年4月末時点)。
仮に、毎月3万円を年率5%で25年間運用した場合には、1,787万円になる計算です。
養老保険の資金計画とシミュレーション

養老保険のシミュレーションで確認すべきポイントは?
養老保険に加入する前には、シミュレーションをして、将来の返戻率や受取額を確認しておくようにしましょう。
特に、「年齢別」「保険期間別」の返戻率を比較して、自身や家族にとって最も効率的な契約条件を検討することが重要です。
若いときに長期契約すると返戻率が高くなる傾向がありますが、年齢が上がるほど保険料が割高になっていきます。
また、支払った保険料の総額と将来の受取額のバランスを見ることで、養老保険が資産運用として魅力的かどうかも判断できます。
予定利率やインフレの影響も踏まえ、同じお金を、新NISAやiDeCoなどの資産運用に回した場合と比較検討するようにしましょう。
養老保険の一括払いは得なのか?分割払いとの比較
養老保険の保険料は、「一括払い」と「分割払い(月払・年払)」から選べるケースが一般的です。
一括払いの最大のメリットは、分割払いに比べて、支払総額が少なく済む点にあります。
保険会社によっては、一括払いに割引制度を導入しており、長期的にはお得になる可能性が高くなります。
ただ、一括払いにはまとまった資金が必要であり、いくら割引制度でお得になるとはいえ、「掛け捨て型の定期保険+新NISA」に比べると、合理性では大きく劣る点は覆せません。
なお、養老保険は「一般の生命保険料控除」の対象となり、支払った保険料の半分まで、所得税が年4万円、住民税が年2万8000円を上限に所得控除されます。
一括払いをした場合には、該当する各年の生命保険料控除に充当できるため、控除額が小さくならない(支払った年のみ控除となってしまい、以降の年では控除できない)ことはないため安心してください。
養老保険の活用法と適した人

養老保険が特に適しているのはどのような人か?
養老保険は、保険と貯蓄性を兼ね備えた金融商品ですが、保険料は高額で、運用効率は良くないため、「掛け捨て型の定期保険+新NISA」に比べて劣ると言わざるを得ません。
そのため万人向けとは言えず、特定のニーズやライフスタイルを持つ人に適している保険となっています。
次のように、強制的な貯蓄手段が必要な人には、養老保険は向いていると言えます。
・まとまった貯蓄が苦手で、自動的に積み立てる仕組みが必要な人
・目的別に資金を確保しておきたい人(結婚資金や教育資金など)
かつては投資信託による資産運用も難しかったため、30代〜40代で安定収入があり、家計に余裕がある家庭持ちの人などにも、養老保険はおすすめできました。
現在は、新NISAによるインデックス投資の敷居が低くなってきたため、どうしても養老保険をおすすめできる人は限定されてきているというのが現状です。
まとめ
養老保険は、死亡保障と満期保険金を両立した保険機能と貯蓄機能を兼ね備えた保険ですが、保険料が割高となる点がデメリットです。
保険料が安い掛け捨て型の定期保険で保障して、その分浮いたお金を新NISAで運用する方が合理的です。
養老保険がおすすめできるのは、強制的な貯蓄手段が必要な人などに限定されてきています。
Q&A
Q1 養老保険の特徴は?
A1 死亡保障と満期保険金を両立した、保険と貯蓄を兼ね備えた保険。定期保険・終身保険と比べると、満期保険金や解約返戻金が高い分だけ保険料は高くなっている。
Q2 養老保険のデメリットは?
A2 保険料が高い点が最大のデメリット。また、早期解約時には解約返戻率が大きく下がる。「掛け捨て型の定期保険+新NISA」の方が合理的。
Q3 養老保険はどんな人に向いている?
A3 強制的な貯蓄手段が必要な人。NISAで投資の敷居が下がってきたこともあり、養老保険をおすすめできる人は限定的となっている。









